口コミ新時代
飲食店にとってのネット上での口コミは重要な存在です。かつては「食べログ」の独壇場で、悪い口コミが書かれて風評被害にあったり、逆にお店からお金を多くもらっているお店は上位表示されるなどの贔屓があったりして、口コミの信憑性も疑われる時もありました。
それから様々な口コミを書き込めるサイトが出てきて、特に食べ物については「食べログ」の独壇場ではなくなっています。
お店側は、自分たちのホームページやSNSでいくら良い情報、魅力的な情報を掲載・投稿したとしても、消費者の方は口コミの方でいろいろ判断してしまう状況になっていました。
そんな口コミは、現在ではどうなっているのでしょうか。
口コミがSNSとなってきている
これまでの口コミというのは、あくまでも「お店や食べ物を評価する」ということに着目されていました。もちろん口コミなので、それが当たり前の考えだったと思います。
ただ、これには落と穴があります。書く側は匿名ということもあって、良い評価というよりも「文句」が多く書かれてしまいます。
あと、ビジネスモデルとしては、口コミサイト運営の大概は「お店予約」ができる機能と連携していることもあり、サイト運営側の収入源はお店側となります。
よって、多くお金を入れてくれるお店は、どうしても贔屓することになってしまいます。
そうなると「口コミ」自体の信憑性が、どうしても問われてことになり、結局口コミを見る側は、そのサイトすらも見なくなっていくというのが落とし穴でした。
その問題を解決しつつあるのが、口コミすらもSNSとする発想です。
つまり口コミを書く人同士の、横のつながりを楽しむことに着目している考えです。
前に「カラオケアプリ」をスマホに入れて、家でカラオケやってみたことがありましたが、このアプリすらも「カラオケ」楽曲の提供が目的ではないことに驚きました。
目的は「カラオケ」好きのSNSなんです。
利用者は、カラオケの音源をアップして、いろいろな方に使ってもらうことを喜びとしていたり、自分のカラオケをアップして、そしてその評価をもらうことや、その人との繋がりを喜びとしていたり、このカラオケアプリの「場」の中で、交流が生まれることが目的となっています。
そしてプロの音源で歌いたいという人たちから、課金で収入を得るようになっています。
すごい発想です。
そんな感じで「口コミ」も、お店を評価することが目的ではなく、自分の「口コミ」が他の人に参考になっている、自分の口コミのフォローを増やそうということが目的になっています。つまり「口コミのSNS」なんです。
それを始めたのが「LINE PLACE」
この発想は驚きました。
ただ、口コミを投稿する側は「口コミのSNS」という意識は最初はあまりないと思います。最初は口コミ書くと「LINEポイントがもらえる」として書いてもらうことから始めているようです。これもうまい。
そして、自分の口コミに対して「いいね」をもらうと、見て、読んでもらって楽しい写真や記事をアップしようとなり、お店への文句というよりも「ハッピー」になる情報をアップしようとなります。
これが、先に書いた落とし穴からの脱却です。
そして更にうまいビジネスモデルは「LINE」で予約ができる「LINEで予約」という機能をつけていて、その口コミ先のお店を予約できるようにもなっています。
ただし「LINE」は、お店から直接お金をもらうビジネスモデルではないのです。
お店側からお金をもらうと、どうしてもお店を贔屓する構造へと発展してしまいます。
それを避けるために「LINE」が使った構想は「ぐるなび」を筆頭とした、これまでのお店紹介サービス&予約機能を持った会社と連携し、そこから収益を得るビジネスモデルとしました。
これもすごいです。
そうするとで、特定のお店を贔屓させる必要がなくなりました。
ただ、お店側からすると、その連携されたサービスに加盟しないと「LINEで予約」を使えないのです。
ここは悲しいですね・・・。
連携したサービスを利用するには、月額固定の費用を払うか、もしくは従量課金として予約が入ったら、使われた費用の数パーセントを支払わなくてはなりません。
だとしても、それを超える効果が見込める店もあるので、サービスを利用するお店も増えていると思います。
お店側が情報を載せられない「LINE PLACE」
これにはびっくりしました。
Googleもマップ検索でお店が出てくる情報があり、そこでも口コミを書き込めます。
そして、それはGoogleビジネスプロフィールという仕組みもあり、オーナー登録するとお店側が情報をアップできる仕組みにもなっています。
「LINE PLACE」では、お店側が情報を載せられないのです。
あくまでも、利用者が情報を投稿し、そしてメニューすらもアップしてもらう仕組みになっています。
そして、それらをアップするとインセンティブとしてポイントをもらえるのです。
「LINE PLACE」側も、お店の情報は投稿によるものから作っているので情報が正しくない場合もあります。と堂々と書かれています。
ここまでやりきっていることにもびっくりです。
落とし穴の脱出には、ここまでした方がいいという判断なんでしょうね。
たしかに、Googleの方はGoogleビジネスプロフィールというものがありながらも、お店側が正しい情報を入れないこともあり、そこで信憑性が欠けることもあります。
これからの時代、お店側はどうしたらいいのか?
この口コミ新時代に入り、お店側はどうしたらいいのでしょうか?
まず大事なことは、
お店側の正しい情報もきちんと発信すること
・自社の公式ホームページ
・Googleビジネスプロフィール
・公式LINE
・公式のSNS(Instagram、facebookなど)
で、正しい情報をリアルタイムで発信することは重要です。
ここで古い情報などが上がったままだと、自爆することになります。
口コミを常に意識すること
次に大事なことは、口コミを常に意識することです。
いいサービス、美味しいものを提供すれば、高い確率で口コミを書いて勝手に宣伝してくれる時代です。
お客様全員がネットで口コミを書くということを前提に、お客様と接することを心がけるべきです。
安心していいのは、これまでのように「文句」を書かれることは少なるなる方向だと思います。
なのであからさまに「LINE PLACEで高評価をお待ちしております」というポップをテーブルに置いておくこともアリだと思います。
YouTuberも動画の最後には「チャンネル登録と高評価をお願いします」と言いますよね。
それと同じです。
あえて「高評価をお待ちしております」と書いておくことで、不満を書きづらくなります。
お客様は勝手に宣伝してくれる最高のパートナーと考えることが、1番コストパフォーマンスの高い宣伝方法です。
「LINE PLACE」に関しては、口コミした方をお店のオーナーが「フォロー」して、その人の他の口コミも確認するマーケティングがいいかもしれませんね。
どんなことをすると、口コミを書いてくれるのかが掴めてくると、新しい取り組みもできるかもしれません。
ただ、利用者と距離を縮めすぎると、利用者側はお店に行きづらくなる場合もあるので、その距離感は考える必要があります。
時代は進化していますね。
私たちもお客様の「集客したい」を応援してきます。