マーケティングされないための機能も出てきた
iCloudプライベートリレーは、iOS 15から提供が始まった「iCloud+」に含まれるプライバシー保護機能です。
機能を有効にすると、Safariを利用したホームページの閲覧履歴や接続元情報が匿名化されます。
どのようなホームページにいつアクセスしたのか、といったWEBブラウジングにまつわる行動は誰にも追跡できなくなります。
これまで、ネットを利用するということは知らず知らずのうちに、こちらの情報は知られてしまい、企業のマーケティングに利用され、そのユーザーに適した広告を表示するような使われ方をされていました。
これができるから、テレビや新聞などよりもネット広告の方が、狙ったユーザーにピンポイントを絞って広告を打てるため、ネットの技術革新も一気に進んだとも言えるでしょう。
しかし、ユーザーにとってはプライバシーが保たれないという不安の声も出てきているのも事実です。
そこで、アップルはまだベータ版ですが「iCloudプライベートリレー」というプライバシー保護機能を、「iCloud+」につけることにしたのでしょう。
プライベートリレーを有効化すると、接続先ホームページの情報(URL)が暗号化され、利用者のIPアドレスとともにiCloudへ送信されます。
するとiCloud側で利用者のIPアドレスが暗号化され、暗号化済URLとともにリレーステーションへと送信されます。
最後にリレーステーションで暗号化済URLを復号化(暗号解除)すれば、第三者に解析されることなくホームページへアクセスできるというしくみです。
しかし、問題も起きてきました
「プライベートリレー」をオンにしていることで、「データ使用料無制限」や「無料通話」といった各キャリアが提供するサービスの一部に不具合が生じる可能性があります。
多くの場合、「プライベートリレー」をオフにすると解決するため、該当サービスの利用者は、設定をオフへ切り替えるよう各キャリアが注意喚起をしています。
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今後はどうなっていくのか?
今後も「プライベートリレー」のような、プライバシー保護機能は増えて行くとは思われます。
EUにおいて、1995年に採択された「EUデータ保護指令」の個人データ保護が現状でもあるように、世界各国でプライバシー保護への関心は広がっていくでしょう。
そうなった場合、企業においてのネット広告のあり方も見直されていくでしょうし、Googleやメタ(旧facebook)などはネット広告収入が減っていくことにもなってしまいます。
その時に、また新しいインターネット時代に突入するのかもしれませんね。